骨が足りない時に行う骨造成術「GBR」とは？

インプラント治療の場合、骨の量は重要な要素です。骨量が足りない場合にはインプラント手術が難しいこともあります。しかし、骨造成術という治療で、手術が出来る場合があります。今回は骨造成術のひとつであるGBRについてご紹介します。

GBRとは

GBRとは、「Guided Bone Regeneration」の略称で、日本語では骨誘導再生法とも言います。歯が抜けた後は骨への刺激がなくなるため、骨吸収と言って歯槽骨（しそうこつ：顎の骨の歯が生えている部位）が痩せてしまいます。GBRはそのような場合に実施する治療です。方法としては、骨をつくりたい場所に骨補填材や自家骨（自分の骨の一部）を粉砕したものを充填して、骨の再生を促します。この方法によりインプラント手術が可能になるなど、多くのメリットがありますが、その一方で、デメリットもあります。

メリット

インプラント治療が可能になる

GBRの大きなメリットは、それまでインプラント治療ができなかった方の治療が可能になったということです。
以前は骨が痩せてしまっている場合、インプラントを諦めることもありました。しかし、GBRやほかの骨造成術の技術が高くなったことで、インプラント治療ができるようになる方が増えました。

インプラント手術と同時に実施可能

患者さんそれぞれの症状によりますが、GBRの場合インプラント手術と同時にできる場合があります。インプラントを埋入する穴に骨補填材なども同時に充填する方法です。インプラント手術とGBRを同時に実施できれば、骨が再生するのを待ってインプラント手術をするよりも治療期間は短縮できます。

デメリット

自費診療である

GBRのデメリットとして、費用の問題があります。インプラント治療と同様にGBRも健康保険の適用がない、自費診療になるため費用が高額になります。歯科クリニックや、どのような処置をするかによって費用は違いますが、およそ5万円から15万円程度と考えられます。詳細な費用は、カウンセリングのときに確認して下さい。

治療期間が長くなる可能性

GBRがインプラント手術と同時にできない場合は、治療期間が長くなります。GBRをインプラント手術の前に行うのは、骨が足りなすぎるときです。先に単独でGBR手術をし、骨が再生するまで待ちます。骨が再生するまでは、個人差もありますが、3ヶ月から6ヶ月程度かかります。治療期間はその分だけ長くなります。

骨量が足りない場合にはGBRなど骨造成術を考慮

インプラント治療を受けるときに「骨が足りない」時は、今回ご紹介したGBR、上顎の場合にはソケットリフト、サイナスリフトなどの骨造成術を勧められます。ただ、実施していないクリニックもありますので、必ずセカンドオピニオンとして、ほかのクリニックにも相談をして下さい。