歯が一本もない状態の顎でも、4本のインプラントで10~12本の固定式の人工歯を支えることができる即日インプラントのオールオン4の治療期間について紹介します。
オールオン4の治療期間は、6ヶ月〜7ヶ月程度。ただ、個人の歯の状態や骨の状態によって異なります。
オールオン4は全ての人に対応できる治療ではありません。歯周病などで極端に顎の骨が痩せている方に対しては、骨造成から始めなければインプラントを埋め入れることは不可能です。そのため、骨造成が必要な方は安静期間として6~12カ月以上を要するので、通常のインプラント同様に時間がかかります。
総入れ歯の方や天然歯が残っていても保存することが難しい状態になっている方にも適した治療で、手術したその日に仮歯を入れることができるのですぐに固定式の歯が必要だという方にも適しています。
オールオン4のインプラント埋め入れ手術にかかる時間は、1時間半~3時間ほどで、その時間の中に麻酔や準備時間は含まれていません。手術では、抜歯、インプラント埋め入れ、仮歯装着まで行います。同日に仮歯まで入るので、翌日からマスク無しで学校や職場に行けることを考えると、オールオン4の手術は画期的です。
オールオン4の手術の傷は小さいとは言え、しばらくの間は生活習慣に気を付けなければなりません。万が一、傷口から菌が入ったり刺激したりすると、治りが遅れたり感染症を発症する危険性があるからです。特に、喫煙はひかえる必要があります。
通常のインプラント手術は部分的な歯の入れ替えなので、手術していない歯で食べることができます。しかし、オールオン4は全ての歯を抜いて入れる手術のため、術後の食べ物は制限されます。特に、術後3日間は硬いものは絶対に避けなければなりません。その間は、おかゆ、スープ、プリンなど、噛まなくても食べられるものが理想です。
アルコールは血行促進効果があるため、出血を促す危険があります。深酒はもちろん、2週間は禁酒するのが望ましいです。付き合いなどでお酒を飲まなければならない時は、いつもよりも少なめに飲むことを意識してください。
辛いカレーなどの香辛料の強い物や酸味の強い物などはひかえてください。特に、味に刺激のある食べ物は手術の傷を刺激し、痛みや腫れが出る危険性もあるので、ひかえることをおすすめします。
大好きな食べ物を我慢するのは辛いですが、傷口が塞がって痛みや腫れが完全に無くなるまでの辛抱です。傷口が塞がれば、食事制限は必要なくなるので、それまでの辛抱と思って頑張ってくださいね!その時期は人によって違うので一概に「いつ」とは言い切れませんが、不明な場合は担当の歯科医師に問い合わせてみることをおすすめします。
従来のインプラント手術では骨造成は欠かせなかったので、顎の骨にインプラントが固定するまで時間がかかっていました。しかし、オールオン4は抜歯した穴にインプラントを埋めるので骨造成が回避でき、ほとんど新たな傷をつけないので出血や腫れなども極力抑えられます。そのため、治療にかかる時間も6~12カ月は短縮できるようになりました。