フラップレス手術は、歯肉の切開をせずに、特殊な器具によって、歯肉の上から穴を開てインプラント体を埋入する手術です。切開をしないため、出血や術後の痛みなど、患者さんの負担を軽減することが可能です。
フラップレス手術では、歯肉を切開しないため出血が抑えられます。また、縫合もしないので、腫れ、痛みなどを軽減できます。手術時間も短時間になるため不安が大きい方にもおすすめです。手術も1回で済みますので通院回数、治療期間とも、短縮できる可能性があります。また、歯茎の切開や剥離をおこなわないことで、歯肉がアンバランスになりにくいというメリットもあります。
インプラント手術は歯肉を切開する2回法という手術もあります。その場合には、一度歯肉を縫合して、歯肉が治癒した後、再度切開をします。一方でフラップレス手術は1回法ですから、2回手術する必要はありません。また、骨の状態が良ければ手術と同時に仮歯を入れることも可能です。
すでにご説明している通り、歯肉を切開しないことで、身体への負担は軽減されます。術後の腫れや痛みが抑えられることは、非常に大きなメリットと言えるでしょう。また、持病を持っている方にとっても、従来よりも負担が少ないため、手術を受けられる可能性が高まることもあります。
通常の2回法手術では、歯がない状態が数カ月間続きます。しかし、フラップレス手術では、骨の状態により、即日で仮歯を入れられることも少なくありません。仮歯は見た目も気にしなくて良くなりますし、柔らかいものなら噛むこともできるので、日常生活でも助かります。
メリットが多いフラップレス手術ですが、症状によっては適応にならない場合もあります。それは骨の状態がよくない場合です。骨が足りないなどの状態では、骨を増やす方法が必要なので、フラップレス手術には向きません。
外科手術の基本は患部を目視することです。しかし、フラップレスでは、ガイド器具を使用するものの、顎骨を目視できません。そのためとダブルが起こっても迅速に対応できる経験や技術が必要になるのです。
フラップレス手術では、まず歯肉の上から特殊な器具で小さな穴を開ます。そのまま歯肉を剥離することはせずに、ドリルを挿入して埋入する穴をつくります。穴ができたら、インプラント体を挿入して、縫合はせずに歯肉を治癒させるヒーリングアバットメントを装着して手術は終了となります。この一連の術式は、マウスピース型のサージカルガイドを装着しておこなうことも多いです。
フラップレスインプラントは従来のインプラントのように切開をしないことで、術中や術後の腫れや出血をおさえることができるうえ、治療期間も短く済むなど、メリットがたくさんあります。
ですが、外科治療の基本は大きく切開をして全体をよく見ることで、正確な治療を行うことです。
フラップレスインプラントの場合は歯科医師が直接骨の状態を見て確認できないため、術前の精密検査による顎骨の正確な把握が必要です。その判断を行う歯科医師には豊富な経験が要求されます。フラップレスインプラントの経験が豊富な歯科医師の判断により治療可能ならば間違いがないでしょう。
クリニックを選ぶときは、フラップレスインプラントの選択肢があるか、経験豊富な医師がいるかを判断材料にしてください。