オールオン4で失敗するケースとは

オールオン4はコストも抑えられ、身体的な負担も少なく審美性にも富んだ、インプラントの中でも人気の治療法の一つです。ですが高度な技術を要する治療なため、万能であるわけではもちろんなく、治療前の状態などによっては失敗してしまう場合もあります。

ここでは、折角オールオン4をしたのに失敗してしまった、と悲しい後悔をしないよう、代表的な失敗例について、その対策方法も交えて紹介します。

インプラントの抜け落ち（骨との結合不足）

インプラントと骨との結合が足りず、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。抜け落ちの原因は他にも、インプラント埋入のための深さが足りない場合や角度に問題がある場合もあります。

オールオン4は4本という最小限のインプラントで片顎分のブリッジを支えているので、一本に不具合が起きれば、他の3本に負荷がかかってしまうので注意しなければなりません。

対策方法

骨との結合の具合は、定期的なメンテナンスで状態を診てもらうことができます。これはクリニックでしかわからないことなので、術後もしっかりとメンテナンスでの通院をしましょう。

また、埋入の深さや角度が足りない場合は、術前の歯科用CTを用いた精密検査で防ぐことができます。ただし、検査を受けていたとしてもクリニックの実績が少なければリスクになってしまう場合もあります。クリニックの実績や取り扱っている器材のレベルを確認できると良いでしょう。

接合部分の歯周病（インプラント周囲炎）

インプラントは免疫機能を持たないので、感染に弱いという特質があります。インプラント周囲炎は歯茎が歯周病菌に感染し、インプラントを埋入した部位が弱ってしまう病気です。最悪の場合インプラントの脱落を引き起こします。また、一本がぐらつくようになれば他の3本への負担が大きくなり、インプラント全体に影響を及ぼします。

対策方法

歯周病菌が発生する原因は、歯の根元部分の磨き残しです。インプラントは義歯なので虫歯になりませんが、だからといって治療後の歯磨きをおろそかにしてしまうと周囲炎のリスクが高まります。お手入れとメンテナンスをしっかりと心掛けることが大きな対策になります。

インプラントの破損

4本という最小の本数のインプラントで片顎分の全ての義歯を支えるオールオン4は、本数が少ないがゆえに、一本にかかる負担が均等である必要があります。負担が偏っているところがあれば、そこが破損してしまう可能性があるからです。

対策方法

これは噛む癖によっても力の入り方が変わってくることがあるため、できるだけ偏りなく歯を使うことを意識すると長く使用できます。治療後の定期的なメンテナンスで状態を確認してもらうことで、気を付けられることもあるでしょう。

また、アバットメントの緩みが原因で壊れるという可能性もありますが、これに関しては患者様自身では違和感としてしか確認ができません。少しでもおかしいと思ったらすぐにクリニックに相談しましょう。トラブルが小さい段階で対処することが、長期的な使用ができることにつながりますよ。